Artwork Details
Medium:水彩、鉛筆、カラーインク
Subject:赤いドレスと赤いリップの女性
Theme:赤の中に残す悲しみや怒り、女性の孤独と強さ
Artist:Kazue Shima
The Story
赤い色に情熱や華やかさ、色気のようなものがあるとは思うけれど、その中に潜む、
どこにも逃げようのない悲しみや切なさ、怒りのようなものをどうしても残したい。
赤いリップに赤いドレスを着るとはどういうことだろうか。自信に満ちているのか、高揚しているのか。
血が通っている肌の上に、更にこんな生々しい色をはおることに迷いはないのだろうか。
そしてマグマが今にも地上に飛び出したいと願う地の上に立ち、
こんな赤い色を身につけることに恐れはないのだろうか。
そんなふうに思いつつ、結局は赤い色の絵の具を選ぶ。
この色でしか表せない、女性の顔に浮かぶ孤独や強さ。見る先にあるものがなんなのか、
それはこの赤をまとう理由なのだと思う。
少し前に描いたもので、あまり気にしていなかったのだけれど、最近ふとこの絵が自分の中に戻ってきた気がして、
いよいよ表舞台に出してみる。
戻ってきたのは、きっとこの赤のせいだ。
赤という色にこれほど惹かれる理由はなんだろう?といつも思っている。
自分でもはっきりとはわかっているわけではない。
ただ、絵を描くようになるずっと前から、私の中に静かに眠っていたような色であったことは間違いない。
私は3歳くらいの頃から、親にクレヨン、ハサミ、折り紙を入れた真っ赤なバッグを持つことを許されていた。
小さい子に危ない、という周囲の言葉を親は無視し、多少指を切っても
自由に私が形や色を楽しむことを優先させてくれたのだ。
私はいつもその赤いバッグの中に、私の夢や妄想を抱えて歩く。
小学生の頃に、図工の時間で初めて絵の具を渡された時、
すでに私の中では使う色が決まっていて、それが黒と赤。
学校の先生は周りのように、オレンジや黄色、緑などの小学生らしい色選びをしない私を非難したが、
私は全くそれに従うことなく、ひたすら黒と赤で画用紙を埋める。
今、私の部屋には赤が集まっている。
絵の具だけでなく、カラーインク、パステル、カラーペン、薄葉紙やタント紙などの紙、
広告の切れ端、捨てるだけのパッケージまで。
その赤の中で一人、怖がったり、悲しくなったり、力がみなぎったりと忙しい。
Some textMateriality & Context
水彩、鉛筆、カラーインクをミックスして描いたもの。
子どもの頃に選んだ黒と赤の組み合わせは、墨と薄葉紙を使う今の作品にも続いている。

