Artwork Details
Medium: デジタルファッションイラストレーション
Subject: テーラードのダブルブレストコートを纏ったゲイリー・オールドマン
Collection: プラダ 2012-13年秋冬メンズコレクション(通称「ヴィランズ・ランウェイ」)インスパイア
Theme: シネマティックなファッション・ストーリーテリング
Artist: Kazue Shima
The Story
2012-13年のプラダの秋冬メンズコレクションは一味違っていた。ファッションモデルだけではなく、何人かの俳優たちがランウェイを歩いたのだ。
モデルが歩けば、服はプロダクトとして自立する。けれど俳優が歩くと、人はそこに物語を重ね始める。
ゲイリー・オールドマンが重厚なコートを纏って歩いた瞬間、私の中では「赤いドレスの女性とともに逃げてほしい!」という映画のようなワンシーンが鮮明に浮かび上がってしまった。
街灯の影で通り過ぎた時、後ろ姿しか見えなかったあの男女は、ブラッサイが切り取ったあの「パリの夜」そのものだった。あのコートの下は、真紅のドレスだっただろうか。
Materiality & Context
ミウッチャ・プラダが「男性の権力のパロディであり、映画的なキャラクター研究」と語ったこの伝説的なコレクションは、ファッション史において「ヴィランズ(悪役)・ショー」として今も熱狂的に語り継がれています。
厳格で構築的なダブルブレストのコートが放つ権威性をデジタルの線画で捉え直すことで、仕立ての重厚な「物質性」が、いかにして深い物語性を帯びた衣装へと変貌するかを表現しました。
ファッションが単なる衣服を超え、シネマティックな緊張感を生み出す瞬間を切り取っています。

